「今日から休んでください」 医師からそう告げられ、発行された一枚の診断書。それを手にしたとき、私は安堵よりも先に「どうしよう」という焦りを感じていました。
今回は、「診断書をもらってから提出するまでの具体的な流れ」を整理したあと、私が診断書をカバンに忍ばせたまま数日間出社し続けた、当時のリアルな葛藤を綴ります。
※この記事は個人の体験談です。具体的な手続きは勤務先の就業規則を確認し、医師の指示に従ってください。
【ざっくり解説】診断書をもらってから休むまでの流れ
「休職したいけど、どうすればいい?」と不安な方へ。一般的な流れは以下の通りです。
- 受診・診断書の発行: 医師に現状を話し、診断書を書いてもらいます。
- 会社への報告: 直属の上司、または総務・人事部署に連絡します。
- 診断書の提出: 郵送、手渡し、メール添付など、会社指定の方法で提出します。
- 休職開始: 業務の調整や引き継ぎを行い(状況によります)、療養に入ります。
私の場合は、「直属の上司に直接手渡し」を選びました。でもそこには、スムーズな手順だけでは語れない、ぐちゃぐちゃな感情がありました。
「即休職」と言われても止まれなかった理由
医師からは「すぐに休むように」と言われました。でも、私の中に駆け巡ったのはこんな気持ちでした。
- 「本当に診断書がでてしまった、診断書の提出はどうやって?」
- 「総務に電話一本でいいのかもしれないけど、上司に直接渡さないと悪いよな?」
- 「会社に内緒で医者に来て、いきなり診断書を出すなんて。まるでチクリ魔みたい。上司や同僚への裏切りのようではないか?」
- 「さすがに仕事の引継ぎは必要?」
- 「医者に休めと言われたのに、出社したらダメなのかな?」
実は通院の直前、上司には「業務調整の相談」を願い出ていました。でも上司は出張中。面談は数日後。
「復職後のことも考えて円満に、診断書をもらうつもりで通院したわけではないという弁解も込めて、対面で渡したい」 そんな思いから、私は診断書を抱えたまま、数日間出社し続けることを選んだのです。
「普通に働けてしまう」からこそ生まれる、自分への疑い
上司が戻るまでの数日間、私は驚くほど「普通に」働いていました。いつも通り出社して、 特別な引き継ぎをするわけでもなく、ただ淡々と仕事をすすめました。それができてしまうからこそ、自分の中では、有体に言えば天使と悪魔がせめぎ合っていました。
- 悪魔(社畜)のささやき: 「今日も普通に出社できてるよ。この診断書、出さなくてもいいんじゃ? 誰にも言わなかったら、なかったことになる、今まで通り頑張れるよ」
- 天使(本能)のささやき: 「いやいや、(不調の症状を)思い出しな。会社に来て、無理やりスイッチが入ってしまっているだけ。」
「いっそ診断書はなかったことにしようか」 そんな考えが頭をよぎるのです。周りから見れば「良好」な人間関係と業務状況だったと思います。だからこそ、何の前触れもなく突然に「自分がパンクした」と言い出すことに強い抵抗感がありました。
「本当に休むのかな?」実感がわかないままの提出
「明日から休職するんだ」という確信を持てないまま、淡々と仕事を進めていました。「もしかしたら明日も会社に来ているかも」という気持ちすら、どこかにあった気がします。
そんな中、残業を禁じられて、久々に歩く夕方の景色が酷く懐かしく感じて、「あぁ、働きすぎてたな、休みが必要なんだな」と休職に肯定的な気持ちも芽生えてきました。
そして訪れた上司との面談。 「自分はこういう状況で、すぐ休まないといけないようなんです」 差し出した診断書は、自分でも半信半疑だった「休むという決断」を、現実のものとして固定するための儀式のようでした。
あんなに「出さない選択肢」に未練があったはずなのに、いざ出してしまえば、あっさり休職がスタートするのでした。
特にその日のうちに手続き等もなく、とにもかくにも翌日から「休み」になりました。
振り返って思うこと:今、診断書を手に立ち止まっているあなたへ
あの数日間は、「こうあるべき」に縛られ理想の高い自分を納得させるための時間だったのかもしれません。でも、そんな時間を過ごし振り返った今なら言えます。
- 会社はどうにかなる: 突然に私が仕事を休んでも業務は回っていきました。
- 自分を守れるのは自分だけ: 上司を待った数日間、もう限界だったのだから「早く休んでしまえばよかった」のだと思います。
もしあなたが今、診断書をカバンに入れたまま「なかったことにしようかな」と迷っているなら。 どうか、その診断書をなかったことにしないでください。 あなたはもう、十分すぎるほど頑張ってきたのです。
その診断書は、あなたが自分自身を守るために勝ち取った「守護札」のようなものです。なかったことにしないで、どうか自分の心に従ってあげてください。
必要な分休んで、また自分自身のペースを取り戻せる日が来ることを、心から願っています。

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